ぬんぬの日記

ASD特性を持つ自分についての考察日記

着る服を選ぶのがものすごく苦痛!

私は昔から、とにかく自分が着ていく服を考えるのが苦手です。

テレビでやっているファッションチェックの企画を見ていても、チェックされている人がどうしてダメ出しされているのかがよくわかりませんでした。

小学生の頃、上下デニム生地の服を着て行って、クラスメイトから「その服変だよ(意訳)」と言われるまで自分のコーディネートがヘンテコだったことに全く気が付きませんでした。

(むしろ、上下同じ生地の服を合わせるのが正しいと思っていました。(この考えも一概には間違いとは言えないかもですが、少なくともファッションセンスゼロの人間がやると悲惨なことになります…))

外ですれ違う人達の服装や、ファッション雑誌を見て勉強しようとしてみても余計にわけがわからなくなり、頭がパンクしそうで、できれば「もうファッションのことなんか考えたくない、自分専属のスタイリストさんがいてくれればいいのに。」とさえ思ってしまいます。

 

どうしてこうなってしまうのか、元々自分がファッションに興味が無いという事もあるかもしれませんが、ASDの特性も多少影響しているのではないかなと考えています。

その要因として考えられることをいくつか挙げてみます。

①興味の幅が狭く、自分にとって関心のないことを考えるのが苦手

まず考えられるのが上でも書いているようにファッションに興味が無い、興味を持とうとしても関心のないことについて無理矢理考えようとする事で一種の拒絶反応のようなものが出てしまうということです。

これは感覚的なものなので説明が難しいですが、例えば、人から自分には興味の無いジャンルの話を延々と聞かされるのが苦痛、退屈、もうやめてくれなどと思ってしまうのと似たような感覚です。

私の場合はたまたまその興味の無いジャンルがファッションというわけですが、やっかいなのがファッションは日常生活において切っても切り離せない(関心を持たざるを得ない)存在であることにより、嫌でもファッションについて考えなければいけない。それが私のファッション嫌いを更に加速させているのではないかと考えています。

②先が見通せない不安等により、自分の身だしなみ以外のことに頭がいってしまう、結果的に身だしなみがおろそかになる

これはどういうことかと言うと、例えば外出する前に「忘れ物はないかな」とか「目的地に着くまでにはいつ家を出て、このルートで行って…」とか「目的地に着いたらまず何をすればいいか」など私はちゃんとした計画や道筋がわかっていないと不安になり、例え事前に下調べしたとしても出かける前に「これで合ってるよね。もう一度確かめよう。」と確認している内に「今日着ていく服装を考える時間が無い!どうしよう!」となってパニックになってしまって身だしなみがおかしくなってしまうパターンです。

そのためにこれは私あるあるかもですが、よくシャツからインナーがはみ出していたり、インナーが透けて見えてしまったり、ボタンをかける位置がズレていたり、襟がよれていたり、スカートなど前と後ろを逆にして着てしまっていたりなどなどそれらに気づかないまま外出してしまって恥ずかしい思いをしたことが多々あります。(もはやコーディネートを考える以前の問題…)

これの対策としては事前に着ていく服のことを考えることができるように時間に余裕を持てばいい話なのですが、やはり関心がないことを考えようとしてもなかなか頭が動いてくれなかったりするので意外と難しいんです(言い訳)

③ファッションにおける暗黙のルールがわからない

この“暗黙のルール”については過去の記事でも何度か話題に挙げていましたが、ファッションについても当てはまると思います。

「この服(色、柄)はこれと組み合わせるのがベスト!」とよくファッション誌には書かれていますが、こういう暗黙のルール(さっきのファッション誌の例は“暗黙”ではないですが)がファッションにはたくさんあるように感じます。

この暗黙のルールがあることにより、ファッション誌を参考に自分の着る服、買いたい服を考えようと思っても頭では「???」となってしまいます。ファッション誌のコーディネートを自分のコーディネートに当てはめることが上手く出来ないのです。

更に過去に自分の考えたコーデがダサいとか変だとか言われてしまうと「自分はセンスが無い人間だ」と自信を無くしてしまい、もう何が正しいのかがわからなくなってしまいます。

④感覚過敏やこだわりにより、自分が着られる服に制限がある。そのため更にコーディネートを考える難易度が上がってしまっている

これについてですが、例えば「この服ははだけすぎていてスースーするからNG」、「この服は首周りがチクチクしそうだからNG」、「この服は洗濯機で簡単に洗濯出来なくて常に清潔な状態にできないからNG」などといったようにせっかくデザインが気に入った服でも「これは着れない」と感じてしまう服がたくさんあるために仕方なく“自分の中での着れる服”の条件を満たしている服を妥協するしか無くなってしまいます。

ファッション誌でいいなと思ったコーデの服と似たデザインの服を見つけても、“自分の中での着れる服”の条件を満たしていないために購入できず、結局ファッション誌を見ても実際に真似してみようと思うコーディネートがごく少数に限られてしまうのです。

⑤視野が狭いため全体のバランスに意識がいかない

これは例えばこのスカートいいなと思って買ったはいいけど他の服と合わせようとするとあれ?となってしまったり、上下のコーデがようやく決まった!と思っていざ外出となった時、「あ!このコーデに合う靴が無い!」となってしまったり…

この視野の狭さも全身コーデが上手くいかない原因の一つなのかもしれません。

 

ここまで自分の着る服を考えるのが苦手な理由について考えてみました。ですが本音を言うと、『人の着る服にいちいち文句をつけてくるなー!何を着たって自由じゃないかーーー!』と声を大にして言いたくなります。

もっと人の着る服装に対して寛容な世の中になってくれることを願っています笑 いや、切実に。

 

 

全くの余談となってしまうかもですが私はドラクエ10(2022年5月現在は休止中ですが)のドレスアップ(通称ドレア)を考えるのは好きでした。

ドレアというのは文字通り、自分の操作するキャラクターの服装やカラーリングを考え、実際に着せることです。着せ替えみたいな感じです。

私はこのように自分では無い、ドラクエ10のキャラクターのようなアバターを着せ替え人形のようにコーディネートを考えるのは苦では無いどころかむしろ楽しめるみたいです。

その理由も考えてみたのですが、

①面と向かってダサいと言われたり、直接でなくても「うわ、この人ダサッ」と思われるような空気では無い

この理由が一番大きいと個人的には思います。

ドラクエ10の世界のファッションは自由度が高く、男性キャラにフリフリのスカートはかせている人が当たり前のようにいたり、ハロウィンパーティーのような着ぐるみやコスプレしている人もたくさんいたり(もちろん普通?におしゃれしている人もいます)ととにかくバラエティーに富んでいてみんながそれぞれ自由なドレアを楽しんでいます。

自由なので暗黙のルール的なものも(たぶん)無いです。(私が気づいてないだけで有ったらごめんなさい)

そのためでしょうか、人の服装についていちいち文句をつけてくる人はほとんどいないどころか「そのドレア、いいね!」と言ってもらえることもあるので、ドレアをすることがとても楽しく感じています。

②着るのはゲーム内のキャラクター(アバター)だからNG服が無い

基本的にドラクエ10のキャラは当たり前ですが「この服、チクチクして着れなーい」なんて言ったりせず、どんな服でも文句一つ言わずに来てくれるのでドラクエ10内で実装されていて尚且つ自分が入手可能な装備(ここでいう服)さえ有れば制限なく自由にドレアができます。

それに、リアルな自分が実際に着るわけでも無いので「これ、自分じゃ絶対着れないな…」というデザインの装備もアバター的存在のドラクエ10のキャラには遠慮なく着せることができます。

③試着が簡単

ドラクエ10のゲーム内には“妖精の姿見”というアイテムが有り、これを使うと自分のキャラクターに好きな装備を一瞬で着せることができます。簡単に色んな服やカラーリングの組み合わせを試せるので失敗しづらいです。

これが現実だと服を一着試着するだけでも時間がかかってしまいますし、サイズが合わなかったなんてことも出てきます。

ちなみにドラクエ10の装備はどんな大きさのキャラでも自動的にそのキャラにフィットしたサイズになるようになっていますので笑 サイズのことを気にする必要もありません。

ドラクエ10(のキャラクター)に関心がある

自分の着る服を考えるのが苦手な理由としてファッションに関心がないからと書きましたがドラクエ10のドレアについてはそもそもドラクエ10というゲーム自体に関心があるため、そのキャラクターのドレアを考えるのも苦痛と感じないのでは?と思いました。

裏を返せば、もっと自分自身への関心を持てるようになったらもしかしたらファッションにも興味が持てるかも…!?

 

いろいろ書いてきましたがやはり結論としては人からとやかく言われたく無い、自分の好きなように服を着れたらもっと楽しめそうという気持ちが強いのかもしれないですが、もっと自分のことにも目を向けられるようになることも大切かもしれないです。